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2014年6月6日 お知らせ

京都大学×京都水族館 公開解剖実験の結果ご報告

京都水族館では、2014年5月15日(木)に京都大学との協働研究として、「リュウグウノツカイ」および「ユキフリソデウオ」といった貴重な深海魚の食性などを調査するための解剖実験を、「大水槽」前で実施しました。消化器官内にある内容物を取り出してDNA抽出をし、後日解析を行った結果についてご報告いたします。

①リュウグウノツカイの食性について
今回、公開解剖を実施したリュウグウウノツカイの胃内容物はほとんど無く、ごく微量の深海性と思われるエビなど甲殻類やイカなどの頭足類の DNAが確認されましたが、詳しい種の同定までは至りませんでした。また魚類ではトラフグを含むフグの仲間やヒラメやカナガシラなどのDNAが確認されました。これらの魚類に関しては、通常深海魚であるリュウグウノツカイとは棲息域が異なり、比較的浅い場所に棲息しています。

今回、解剖した個体と同じ網にカナガシラなどが混獲されているのが確認されており、網の中ではがれた鱗(うろこ)などを飲み込んだ可能性もあります。しかし一方で、深海から やや浅い所まで餌を食べながら浮上し、これらの稚魚や卵を捕食している可能性も示唆されています。

②胃の盲嚢(もうのう)部について
胃の「盲嚢部」と呼ばれる、その働きが解明されていない器官について、①内側がひだ状になっていること②腸の働きのような栄養吸収の組織構造をしていること③消化器官の役割を果たしている可能性が高いことが判明しました。
現段階では働きがよくわかっていない器官ではありますが、リュウグウノツカイが餌の少ない深海で少量の餌でも効率良く吸収し、最低限の動きで全身に 栄養等を巡らせている可能性が示唆されています。リュウグウノツカイはその生態がほとんど解明されていませんが、今回の発見が本種の未知の生態を明らかにする大きな手がかりになることを期待します。

共催:京都大学、霊長類学・ワイルドライフサイエンス・リーディング大学院・JSPS、先端拠点形成事業
協賛企業:ナカライテスク株式会社、和研薬株式会社


  • リュウグウノツカイ
  • リュウグウノツカイ
  • 公開解剖の様子
  • 公開解剖の様子
  • 胃盲嚢の冠状切片(拡大図)
  • 胃盲嚢の冠状切片(拡大図)
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