コラム

2023.04.04

育て!いくらちゃん 成長したサケを由良川へ放流しました

1月9日(火)~3月18日(土)の間、特別展示を行っていた「育て!いくらちゃん」。「サケのふるさと由良川を守る会」からサケの卵を一時的に預かり、孵化した稚魚の成長を見守ってきました。
この度、3月19日(日)サケの稚魚を由良川に放流いたしました。小さなイクラから稚魚になった成長記録と放流当日のようすを紹介します。

■2年ぶりに由良川からやってきた「いくらちゃん」

京都水族館では、2年ぶりに「育て!いくらちゃん」と題し、イクラが孵化して稚魚へと成長する姿を展示しました。‌

当館にやってきたイクラは、サケの卵を稚魚まで育て、そして由良川へ返す保護活動を行う「サケのふるさと由良川を守る会」からお預かりしたものです。‌
まずは、イクラから孵化して、成長するようすを紹介します!‌

【2023年1月9日(月)】
2021年以来、2年ぶりに京都水族館に「いくらちゃん」がやってきました!‌
よく見ると目や体がうっすらと見えています。‌
イクラは、産まれた日から数えて、積算温度(毎日の飼育水温を足した温度)が約480℃になると孵化するといわれています。水族館スタッフ一同温かく見守ります。‌

「イクラ…?」と不思議そうに眺めるお客さま急増。



【2023年1月18日(水)】‌
予定より早く孵化が始まりました。‌
孵化してすぐは、泳ぎ回ることなく過ごしています。サケの稚魚は、口からごはんを食べるようになるまでは、おなかについている栄養の袋「さいのう」から栄養を摂って成長します。‌

 


【2023年2月20日(月)】‌
孵化から約1ヶ月後の様子です。‌
おなかにあった「さいのう」もすっかりなくなり、水槽の中を泳ぎ回るようになりました。‌
2月24日(金)からは、ごはんを食べるようになりました。‌




【2023年3月17日(金)】‌
放流日が目前に迫ってきました。‌
イクラが孵化して小さな稚魚が立派に泳ぐ姿を目の当たりにし、成長の早さに驚くばかりです。1月9日(火)からご覧いただいてきたイクラちゃんの展示とも、まもなくお別れです。‌

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「育て!いくらちゃん」展示のようす

■大きくなって帰ってきてね!いざ、由良川へ放流!

【3月19日(日)】‌
ついに放流日を迎えました。前日は雨が降っていましたが、この日はからっとした快晴です。放流会場の綾部市由良川花庭園付近に到着すると、すでにたくさんの地域の方々が集まっていました。‌

京都水族館から約1時間半かけて大切に運んできたサケの稚魚。もうすぐ放流です。



開会式が終わると、参加者の皆さんと一緒に放流場所へ移動します。‌
京都水族館はイクラから育てた190匹のサケの稚魚を放流。この日集まった地域の方々が育てたサケとあわせて、約3万匹が由良川へかえります。‌

いよいよ放流の時です。‌
「サケよ、帰って来いよ~!」の掛け声に合わせて、一斉に放流。袋をそっと由良川に入れると、サケの稚魚たちは勢いよく川を泳いでいきます。由良川をすいすいと泳ぐ姿に、喜びと少しの寂しさを感じながらサケたちを見送りました。‌
地元のお子さまたちも「元気でね」「帰ってきてね」と声をかけながら、次々と放流していきます。‌

一斉に泳ぎだすサケの稚魚。大きくなって帰ってきてね!


そして、イクラたちが無事に成長して放流することができた証として、「鮭飼育認定証」をいただきました!‌
さらに、地元の方々から「あったか鍋」を振る舞っていただき、おなかいっぱい体も温まる放流会でした。‌


最後に

2年ぶりにイクラを迎え、水族館スタッフとお客さまでその成長を見守ってきました。放流した稚魚が由良川へ帰ってくるのは3~4年後といわれています。多くのサケが無事に由良川へ帰ってくることを水族館スタッフ一同願っています。‌

そして、京都水族館では、引き続き絶滅の危機に直面する京都のさまざまないきものの保全・保護活動に取り組んでまいります。‌

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