コラム

2017.06.12

美しきクラゲ ~ゼリーのような特徴的風貌と不思議な生態~

  • jellyfish

「癒される」「時間を忘れる」と近年人気の高いクラゲの仲間たち。そのゆったりとした無重力感と透けるような体。クラゲとはひとことに言ってもさまざまな姿形、色をしたクラゲの魅力をお伝えします。

001ミズクラゲ‌

クラゲは何の仲間?


クラゲは一般的に刺胞動物と有節動物の仲間を指します。刺胞動物は、刺胞と呼ばれる毒を注入するための針を持つ細胞を備えたいきもののことで、クラゲのほかにイソギンチャクやサンゴなどがいます。有節動物は体に髪をとかす櫛のような運動器官を持ち合わせているいきものです。‌

じゃあ刺されたら危ない?


すべてのクラゲが刺されたら危ないというわけではありません。むしろほとんどのクラゲは刺されても何も感じないことが多いのです。しかし中にはちくちくと感じるものから、激しい痛みを伴うものもあります。アカクラゲやカツオノエボシ、アンドンクラゲ、ハブクラゲ、カギノテクラゲなどは、刺されると場合によっては命に関わる危険なクラゲとして知られます。クラゲを見かけたらその種類に関わらず触らないほうが賢明といえるでしょう。‌

まるでゼリー。クラゲの体は何でできている?


英語ではJellyfish。とてもやわらかそうなクラゲの体の約95%以上は水分でできています。‌
お菓子のゼリーの水分比率もだいたい同じくらいだそうです。ゼリー=クラゲの触感ということが言えそうです。この体ゆえ、魚のように網で掬うと傷ついたり変形したりするため、換水などでクラゲを移動させるときは調理用のおたまやボウルなどで水ごと掬います。‌

口はどこ?目は見える?どうやって食事するの?


多くのクラゲは傘の内側の中央に口があります。目はありませんが、触手の付け根に眼点と呼ばれる光を感じる器官を持っています。明暗の区別はつくということですね。食事は傘の縁にある触手から胃の中にとり込みます。クラゲによってプランクトンを食べるもの、魚などを食べるもの、クラゲを食べるものまで食性はさまざまです。‌

クラゲについて少し詳しくなりました。見た目の美しさだけではなく、人間とはかけ離れた生態でありながら私たちの心を捉えて離さない不思議ないきもの。‌
ここからはフォトギャラリーを兼ねたクラゲあるあるや特徴的なクラゲをご紹介。‌

絡まらないの?


アカクラゲ‌
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長い触手。絡まることはあります。多くはしばらくすると自然にほどけますが、飼育スタッフがほどいてあげる場合もあります。‌

ピンクのクラゲ


ハナガサクラゲ‌
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クラゲのイメージというと透明?白?ブルー?‌
なんとストライプに鮮やかなピンクがアクセントカラーのクラゲもいます。おしゃれ。‌

タコ足8本


タコクラゲ‌
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クラゲだけど足(触手)が8本。だからタコクラゲ。傘の水玉模様も可愛い。‌

スパイダー


カギノテクラゲ‌
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その姿は張り巡らされた蜘蛛の巣のよう。浮遊型ではなく、海藻や岩などに付着して生活します。‌
そんなところもスパイダー?‌

光る?虹色クラゲ


カブトクラゲ‌
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キラキラと光っている・・・ように見えますが、櫛板という部分が動くたび光に反射して虹色の光を演出。クラゲ自体が発光しているのではないのです。‌

危険な行燈


アンドンクラゲ‌
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夏のお盆のころ見られることから行燈の名前がつきました。風流な名前とは裏腹に非常に強い刺胞毒を持っているので海水浴の際は十分な注意が必要。お盆以降の海水浴は避けた方がよいという謂れはこのアンドンクラゲの発生時期からとも言われるようです。‌

お椀


オワンクラゲ‌
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ひっくり返すとお椀のようなオワンクラゲ。2008年に下村脩氏がノーベル化学賞を受賞した緑色蛍光タンパク質はオワンクラゲから発見されました。‌

硝子のように透き通る


ギヤマンクラゲ‌
001           ‌

硝子(ギヤマン)のように透明なクラゲ。繊細な佇まいは大きく迫力のあるものや派手なものとは‌
違った魅力を感じさせてくれます。‌

やじろべえ


ヤジロベエクラゲ‌
001     ‌

子どものころ遊んだような懐かしさ。ほかのクラゲとは一線を画すこのフォルムはやじろべえそのもの?大きさは1cmほど。‌

いかがでしたか?‌
京都水族館では季節や状況によりさまざまなクラゲを展示していますので、ぜひこの独創的な美しきクラゲたちにご注目ください。

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