コラム

2023.12.04

「里山教室~里山で遊ぼう~」今年も美味しい「京のさとや米」ができました!

自然豊かな里山風景を再現した「京の里山」エリアでは、水、いきもの、食物、そして人とのつながりや、生物多様性の大切さを伝えています。
日常生活で田んぼを目にする機会が少ない子どもたちに、田植え、稲刈り、脱穀精米などの稲作と、収穫した稲を使ったしめ縄づくりを体験できるプログラム「里山教室~里山で遊ぼう~」を実施しています。
今回は9月に開催された稲刈りと脱穀精米の様子をお届けします。

■第2回「里山で遊ぼう!~稲刈り編~」
5月の田植えから約4カ月。大切に育てた稲が収穫の時期を迎えた2023年9月16日(土)。事前抽選に当選した年間パスポート会員の子供たち14名と、稲刈りと「はざ掛け」と呼ばれる稲の乾燥作業を行いました。‌

地元の農家さんの力をお借りして、稲刈りのやり方やコツを教えていただき、水族館のスタッフと一緒に稲刈りスタート!‌
稲の根元に鎌を入れて、ザクザクと刈っていきます。‌

稲刈りを進めていると、ダンゴムシを発見!‌
田んぼにはバッタ、テントウムシ、ダンゴムシなどのたくさんのいきものが暮らしています。‌
稲刈りの合間には飼育スタッフと一緒にいきもの観察を行いました。‌

刈り取った稲は少量ずつ束ね、はざ掛けで天日干しをします。‌


子どもたちは慣れない作業に苦戦しながらも、どんどん稲を束ねて、棒に掛けていきます。‌
大人も根を上げてしまいそうな暑さの中でしたが、水分補給をしながら一連の作業を頑張ってくれました。‌


途中、はざ掛けした稲が支柱ごと倒れてしまうハプニングがありつつも、この日の作業は無事終了。‌
稲は2週間ほど天日によって乾燥させます。‌
美味しいお米ができるまで、あともう少しです。‌

■第3回「里山で遊ぼう!~脱穀・精米編~」
稲刈りとはざ掛けを行ってから2週間経った、2023年9月30日(土)。ようやく涼しくなってきたかと思いきや夏の暑さが戻ってきたこの日、事前抽選に当選した年間パスポート会員の子供たち14名と、収穫した稲の脱穀・精米作業を行いました。‌

刈り取った稲から美味しいお米になるまでには脱穀、籾すり、精米と多くの工程があります。‌
まずは「千歯こき」と「足踏み脱穀機」を使い、昔ながらの方法で稲の脱穀をしていきます。‌


千歯こきは歯に稲の束をかけて引っ張ることで、お米となる部分をとっていきます。力いっぱい引っ張らないとうまく米がとれず、子どもたちは苦戦しているようすでした。一方、足踏み脱穀機は歯のついたローラーを回転させ、稲穂をあてて脱穀します。こちらは足を踏み込むタイミングが難しかったようで、「大変だった!」との声が。お米を作る大変さを知ると、普段何気なく食べているお米のありがたみを感じます。‌

千歯こきや足踏み脱穀機で取り切れなかったお米は一粒一粒手作業で取っていきます。‌
一生懸命に作業を頑張っているからこそ、たった一粒でも大切に感じられます。‌

続いては「とうみ」を使って、藁やゴミを取り除いていきます。‌
ハンドルを回し、風を起こすことで細かいゴミを飛ばします。‌


脱穀が終わると、次は「籾すり」です。‌
「籾すり機」を使って籾殻(もみがら)を取り除き、「玄米」にしていきます。‌


そして最後は精米です。‌
精米機を使って「玄米」から「ぬか」を削り、「白米」にします。‌
大変な作業を乗り越えた子どもたちは「白米」ができる瞬間に興味津々。‌
白いお米一粒一粒の形となって精米機からでてくると、「できた~!」と歓声が上がりました。‌
子どもたちの笑顔を見て、私たち水族館のスタッフも収穫の喜びを感じました。‌
暑い中での作業、お疲れ様でした!‌


完成したお米の名前は「京のさとや米2023」と名付け、参加者の方に配りました。‌
参加した子どもたちにとって、苗から白米になる流れを体験したことで食べ物を作る大変さを実感し、食への興味を深めるきっかけとなってくれたら嬉しいです。‌
今後も京都水族館では、子どもたちが自然環境に触れ、自然を想う心を育む取り組みを行ってまいります。‌

里山教室の活動にご賛同いただいたロゴスコーポレーション様からタープをお貸し出しいただきました。ありがとうございました!‌

京都水族館では、未来の地球にバトンをつなぐ、サステナビリティ推進プロジェクト「AQTION!(アクション)」を行っています。‌
水族館だからこそ見えてくる地球や社会の課題に対して、未来を担うこどもたちや地域社会と一緒に取り組みます。

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