コラム

2024.04.08

まるで海の中にいるかのような“没入感”を堪能
「京の海」大水槽リニューアル記念イベントを開催しました

2016年に誕生した京都の豊かな海を再現した「京の海」エリア。水量約500tの「京の海」大水槽では、約50種のいきものを展示し、京の海の豊かなようすを再現しています。
この度、「京の海」大水槽の空間が新たに生まれ変わりました。今回は、リニューアルした大水槽空間の楽しみ方と、記念イベントの模様をお届けします。

■「京の海」大水槽エリアがリニューアル!
2023年12月末、「京の海」大水槽を眺める空間が新たに生まれ変わりました。‌
1階のフロアには、京都の海の岩をイメージしたさまざまな形と大きさのソファを配置。座る場所によって、大水槽の眺めも変わり、時間を忘れてじっくりと観察することができます。‌

新たに設置した擬岩型のソファ


さらに、1階の床面には、海面から光が差し込み、水がゆらめくようすを再現した幻想的な映像演出を施しました。まるで、海の中からいきものの世界をのぞき見しているかのような“没入感”に浸って、京の海の世界観を堪能することができます。‌
さまざまな角度からお気に入りの場所を見つけて、いきものの観察をお楽しみください。‌

水のゆらめきを感じられる映像演出



■2月21日(水)京都の海のいきものと自然について考えるトークセッション
今回のリニューアルを記念し、京都の海といきものについて学び、リニューアルした空間を堪能できる4つのイベントを開催しました。‌

イベント第一弾は、京都の海といきものについて考えるトークセッションです。イベントには、舞鶴湾を中心に、宮津湾や福井県側の海などの潜水調査と多種多様ないきものの観察を行う京都大学舞鶴水産実験所所長 益田 玲爾教授をゲストスピーカーとしてお迎えしました。さらに、お子さまから大人気のさかなのおにいさん かわちゃんにファシリテーターを務めていただき、京都水族館副館長の河﨑誠記とともに、京都の海といきものについてお話ししました。‌

益田教授は、毎月2回舞鶴湾に潜り、いきものや自然環境を観察する調査を行っています。この調査を約20年続けた結果、アイゴやメジナ、ミノカサゴなどの南の温かい海に生息するいきものが京都の海でも増えるようになり、海の変化を感じていると話しました。‌
「京の海」大水槽も、丹後の海を中心にいきものを蒐集して展示を行っています。時代とともに見ることができるいきものが変化していることを知っていただくため、大水槽でもその時々で展示するいきものが変わっています。トークセッションでは、イシガキフグやスギなどの最近搬入されたいきものを中心に、副館長の河﨑がいきものの解説をしました。‌
最後に、「私たちにできることは何か」というお題で、海やいきものについて知ること・興味を持つことの重要性をお話ししました。そして、益田先生からは、海やいきものに興味をもったら、実際に海に訪れてほしいという言葉がありました。‌
変わりゆく海の変化についてお話しいただく貴重な時間となりました。‌

左から順に、当館副館長河﨑、益田玲爾教授、さかなのおにいさん かわちゃん



■2月24日(土)さかなのおにいさん かわちゃんと行く!海のいきもの大観察
21日のイベントに引き続き、さかなのおにいさん かわちゃんをお招きし、当館副館長の河﨑とともに「京の海」大水槽のいきものについて解説する参加型イベントを開催しました。‌
京都府北部に伝説が残る『うらしまたろう』の朗読をきっかけにイベントはスタート!多種多様ないきものが悠々と泳ぐ「京の海」大水槽の中で、子どもたちが気になるいきものについて解説しました。‌
例えば、「ソウシハギ」は、大きな尾ビレと2つの小さなヒレを持つ魚ですが、泳ぐときには大きな尾ビレはあまり使わず、小さなヒレを器用に動かします。他にも、ホシエイの尻尾には毒をもつトゲがあり、ノコギリのような形をしているので一度刺さると抜きにくくなっています。‌
このようないきものの生態の解説に、参加者の皆さんはうなずきながら熱心に話を聞いていました。さらに、さかなのおにいさん かわちゃんからのいきものクイズには、多くのお子さまが挙手をして、積極的に発言してくれました。‌
イベントには、約200名のお客さまにご参加いただき、大盛り上がりの中幕を閉じました。‌

かわちゃんの指さす先にいる魚はソウシハギ(赤丸の魚)


イベント後、かわちゃんのサイン会を開催



■2月25日(日)劇団衛星によるミニ演劇「かいくんのさがしもの」
三連休の最終日となった2月25日(日)、この日は、京都の海のいきものと海で起きている問題について知るデジタル紙芝居「かいくんのさがしもの」のミニ演劇を上演しました。‌
主人公のかいくんが、魔法にかけられて海を泳ぎながらホシエイやネコザメなどのいきものと出会うストーリー。お話の中では、かいくんがクラゲによく似たあるものに襲われてしまいます。これは、クラゲではなく実はビニール袋。海に本来ないはずのビニール袋がポイ捨てなどによって海を漂うことで、いきものたちに危険を及ぼしてしまうことを演劇でお伝えしました。‌
最後には、物語の復習で3問のクイズをお客さまに出題。お子さまも大人の方もご参加いただき、楽しみながら海の環境といきものについて学べる時間となりました。‌

「かいくんのさがしもの」上演のようす



■3月10日(日)弦楽四重奏の演奏会を開催
リニューアル記念イベントのラストを飾ったのは、京都市立芸術大学音楽学部の4名「カルテットクラルテ」による弦楽四重奏の演奏会です。今回は、京都水族館での演奏を記念し、海をテーマにした曲を披露しました。楽曲は、「アンダー・ザ・シー~リトル・マーメイド~」「海の見える街」「パイレーツ・オブ・カリビアン 彼こそが海賊」「崖の上ポニョ」の4曲。聞き覚えのある楽曲に、多くのお客さまに足を止めていただきました。‌
楽しい演奏にアンコールが起こり、4曲の中でとくに人気のあった「パイレーツ・オブ・カリビアン 彼こそが海賊」を再度演奏し、演奏会は幕を閉じました。‌
(本イベントは、梅小路公園・京都駅周辺エリアで3月2日(土)~20日(水・祝)に開催した「梅小路公園・京都駅周辺 春の音楽祭」の一環として実施しました。)‌

弦楽四重奏演奏のようす



■さいごに
「京の海」大水槽の4つのイベントにご参加いただいた皆さま、ありがとうございました。‌
新しく生まれ変わった「京の海」大水槽では、まるで海の中にいるかのような空間をお楽しみいただきながら、大水槽の多種多様ないきものを思う存分ご覧いただきたいと思っています。「京の海」大水槽のいきものは、その時々の京都の海を再現しています。水槽を近くで見るのもよし、少し離れて全体を見るのもよし。お好みの場所に座っていただき、お越しいただくたびに新たな発見をお楽しみください。‌
豊かな「京の海」に触れていただき、ぜひ、本物の京都の海にも訪れてみてくださいね。‌
★「京の海」大水槽エリアリニューアルの詳細はこちら

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