コラム

2024.06.04

育て!いくらちゃん2024
サケの成長と放流のようすをお届け!

2024年1月10日(水)~3月15日(金)の期間、「京の川」エリアで展示を行った「育て!いくらちゃん」。
「サケのふるさと由良川を守る会」よりサケの卵を一時的にお預かりし、孵化と成長のようすをご覧いただきました。今回は、サケの成長記録と3月16日(土)に行った放流のようすをご紹介します。

■今年もやってきた!いくらちゃん!
イクラが孵化するようすと稚魚の成長を観察いただく期間限定展示「育て!いくらちゃん」を今年も1月10日(水)から展示しました。‌
この展示は、サケの保全活動を行う「サケのふるさと由良川を守る会」からサケの卵を一時的に譲り受け、稚魚になるまで京都水族館で飼育・展示し、春に由良川へ放流する企画です。‌

1月10日(水)から展示がはじまったいくらちゃん。卵なので動きませんが、よく観察すると体や目が透けて見えます。お客さまはそのようすを水槽に近づいてじっくり見ていらっしゃいました。‌
サケは、生まれた日から数えて積算温度(毎日の飼育水温を足した温度)が約480℃になると孵化するといわれています。‌
孵化の予定日は、10日後の1月20日頃。飼育スタッフが大切に見守ります。‌

1月10日のいくらちゃん



【2024年1月17日(水)】
予定より少し早くほとんどのサケが孵化しました!生まれてすぐは、おなかに“さいのう”という栄養の袋を持っているため、しばらくの間はごはんを食べなくても生きていくことができます。まだ泳ぐことはできませんが、ピチピチと動く姿が見られました。‌

さいのうを持っているサケ



【2024年2月5日(月)】
おなかのさいのうが小さくなってきました!まだすいすいと泳ぐことはできませんが、数秒だけ泳ぐ個体も出てきて、成長を感じます。‌


【2024年3月5日(火)】
京都水族館での飼育をはじめてから約2ヶ月が経ちました。さいのうがなくなり、水槽内を泳ぐようになりました。ごはんもたくさん食べて、体長は4~5㎝まで成長!‌
ご来館の際、いくらちゃんの成長を見守ってくださった皆さま、ありがとうございました。約2ヶ月の飼育が終了し、まもなく放流日を迎えます。‌

「育て!いくらちゃん」展示のようす



■大切に育てた「いくらちゃん」 ついに放流!
お天気に恵まれた3月16日(土)、ついに放流日を迎えました!この日放流するのは、約2ヶ月大切に育ててきたサケの稚魚205匹です。‌
会場に到着すると、すでに地元の方が集まって放流が始まっていました。京都水族館も地元の方々と一緒に放流です。‌

放流日を迎えたサケの稚魚


飼育スタッフ2名で放流



稚魚を入れて運んできた水が川の水温に慣れるよう袋を静かに川に沈めてから、やさしく稚魚を放流。旅立ちの喜びと少しの寂しさを感じながら「元気に育ってね、いってらっしゃい~」と稚魚を見送りました。‌
サケは、生まれたふるさとの川に戻ってきて卵を産む習性の魚です。この日放流したサケの中にも3~4年後には由良川に戻って卵を産む個体がいることでしょう。たくさんのサケが由良川に戻ってくることを願っています。‌
無事放流日までサケを飼育した証として「鮭飼育認定証」をいただきました。‌

認定証をいただきました!



今年は、当館をはじめ地域の方々で育てた稚魚約4万匹が無事由良川に放流されました。‌
京都水族館はこれからも、身近ないきものや自然環境について学べる機会を提供し、さまざまないきものの保全・保護活動に取り組んでまいります。‌

京都水族館では、未来の地球にバトンをつなぐ、サステナビリティ推進プロジェクト「AQTION!(アクション)」を行っています。‌
水族館だからこそ見えてくる地球や社会の課題に対して、未来を担うこどもたちや地域社会と一緒に取り組みます。‌
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