コラム

2025.07.01

クラゲワンダー研究部員の観察日誌
/アカクラゲ編

  • アカクラゲ
  • jellyfish
  • クラゲ

2020年に誕生した「クラゲワンダー」。ここでは約30種類のクラゲたちと出会うことができます。
多種多様な特徴を持つクラゲたち、それぞれのクラゲの見どころを知ることで、お気に入りのクラゲが見つかるかもしれません。

個性が際立つ、しま模様

クラゲワンダーを進んでいくと、長い触手も傘も赤々としたクラゲがひしめき合う水槽が目に入ります。アカクラゲです。傘に放射状に入る模様は条紋(じょうもん)といい、アカクラゲの特徴の一つです。‌



赤い触手をなびかせながら水槽を横切っていく姿はまるで彗星のようです。アカクラゲの面白いところは個体ごとの模様や色の違いです。十人十色と言わんばかりに条紋の太さや濃さ、傘の色が赤系・オレンジ系・ピンク系など個性を見せてくれるのが魅力的です。条紋は16本と数が決まっていますが、幅が太く、縁の色だけ濃い、まるで32本あるように見える模様もあり、シャープな印象を見せてくれます。‌



日本近海でよく見られるアカクラゲですが、産地の違いや飼育下で生まれたか天然のクラゲかによって傘の色が異なる場合があります。色を決める要因は詳しくは分かっていませんが、食べているごはんが関係しているのではないかといわれています。‌

赤ちゃんと大人の違い

毒々しい見た目をもつアカクラゲですが、生まれたての赤ちゃんの姿は想像できますか?大人のクラゲとの違いは大きさだけではありません。3㎜程度の小さな赤色のクラゲ、形は縁に切り込みが入っていてお花のような形をしています。‌

【生まれたばかりのアカクラゲのエフィラ】‌



これがアカクラゲの赤ちゃんです。そして、大人のアカクラゲにあるような長い触手はありません。実は生まれたばかりのアカクラゲには触手が生えておらず、丸い傘もありません。大きくなる過程で触手が生えてはじめ、1ヶ月ほどで傘が形成されます。形はだいぶ大人に近づいてきましたが、まだアカクラゲのトレードマークである赤い色としま模様がありません。毎日観察していくと生まれてから2か月ほどで次第に傘がうっすらと赤く色づき、条紋が表れ始めました。‌




大きくなるにつれどんどん濃くなっていくので、ごはんをあげたり水を換えたりするタイミングでチェックしてアカクラゲの成長を感じるのが楽しみの一つです。京都クラゲ研究部では、赤ちゃんから大きく育っていくアカクラゲの様子も観察できますので、アカクラゲの触手の有無や、色や条紋の濃さに注目して観察してみてください。

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