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2025.07.18
クラゲワンダー研究部員の観察日誌
/タコクラゲ編
2020年に誕生した「クラゲワンダー」。ここでは約30種類のクラゲたちと出会うことができます。
多種多様な特徴を持つクラゲたち、それぞれのクラゲの見どころを知ることで、お気に入りのクラゲが見つかるかもしれません。
ぽんぽん弾む、人気者
褐色を帯びた丸い傘に白い水玉模様、足のように見える付属器(ふぞくき)をユラユラとなびかせ拍動するのはタコクラゲです。
傘の形や、付属器の本数がタコと同じ8本であることからこの名前は由来していると言われています。日本では太平洋側の関東以南から沖縄県にかけての暖かい海で見られる直径10㎝ほどのクラゲです。ぽんぽんと弾むようなリズミカルな拍動は見る人の心を掴み、人気のあるクラゲの一種です。
見かけによらず、お上品?
成長すると傘の大きさが握りこぶしほどになるクラゲですが、ごはんは生まれたときからずっと小さなプランクトンを食べています。同じくらいの大きさのアカクラゲやアマクサクラゲがアジのミンチやミズクラゲを食べているのに、どうしてタコクラゲは小さなプランクトンしか食べないのでしょうか?その秘密はタコクラゲの口にあります。
ごはんを捕まえると傘の内側から伸びる口腕(こうわん)の内部を通り根元にある口に運ばれますが、アカクラゲやアマクサクラゲの口が十字型に開いているのに対し、タコクラゲはスポンジ状の口腕に小さな穴が多数開いているのみで閉鎖的な口をしています。そのため小さな穴を通過する小さなごはんしか食
べることができないのです。
【タコクラゲの口】
タコクラゲのように活発に拍動するクラゲはエネルギーの消費も激しく、多くのごはんを必要とするので他のクラゲたちが1日に1~2回なのに対して4~8回のごはんタイムがあります。
立派な水玉は成長のあかし
傘の模様が印象的なタコクラゲですが、生まれたときからあるわけではありません。白い水玉模様はでおしゃれのためについているわけではなく、骨のないタコクラゲの体を丈夫に保つための役割があります。
【タコクラゲのエフィラ】
写真は生まれて1日目のタコクラゲですが丸い傘はまだなく、花びらのような切込みの入ったエフィラという姿をしています。全体に見える小さなオレンジ色のつぶつぶは褐虫藻(かっちゅうそう)というタコクラゲの体に共生している植物プランクトンでタコクラゲの傘の色の素になっています。
【1つ目の水玉模様が現れたタコクラゲの赤ちゃん】
こちらの写真は軟骨状組織が現れたばかりのタコクラゲの赤ちゃんです。こうして水玉模様が現れ始め、成長とともに傘の全体に広がっています。小さなタコクラゲは京都クラゲ研究部で育てています。今日のタコクラゲの水玉模様はどのくらいあるでしょうか?ぜひチェックしてみましょう。