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2025.05.23
クラゲワンダー研究部員の観察日誌
/ミズクラゲ編
2020年に誕生した「クラゲワンダー」。ここでは約30種類のクラゲたちと出会うことができます。
多種多様な特徴を持つクラゲたち、それぞれのクラゲの見どころを知ることで、お気に入りのクラゲが見つかるかもしれません。
成長過程、いっしょに見守るミズクラゲ
クラゲワンダーで一番大きなパノラマ水槽、「GURURI」で見られるのはミズクラゲです。みなさんがクラゲと聞いてイメージするのがこのミズクラゲではないでしょうか。その形は見た目からも非常にポピュラーなクラゲです。
【生まれて約1か月のミズクラゲ】
プロローグはGURURIに至るまでのミズクラゲの成長過程を観察できるエリアで、最初の水槽ではなんとその日の朝に生まれたての「1日目のミズクラゲ」を見ることができます。
小さい体で必死に拍動し、ごはんのプランクトンを捕まえるようすは一生懸命さが伝わる自慢の展示ですが、みなさんの感想は「小さすぎて見えない」でした。
意外と見ない?ぜひじっくり見てみて!
クラゲの水槽というとなんとなく眺めることが多く、クラゲの体に着目してじっくりと観察することは意外とないのではないでしょうか?ミズクラゲの体は一般的で分かりやすい構造をしているので、よくクラゲの体の解説で例として紹介されがちですが、改めて見ていきましょう。
まず注目してほしいのは丸い傘の縁(ふち)。髪の毛のような細い糸が多数生えています。これは触手(しょくしゅ)といい、毒針の入った細胞が入っています。クラゲに刺されて痛い!と感じるのは、この触手に触れて毒針に刺されたからです。クラゲの毒は種類によって異なるので、毒の強さや刺されたときの対処方法が異なるのもやっかいです。
次に傘の内側に注目すると、リボン状の口腕(こうわん)があります。中央に口があり触手で捕えたプランクトンを口まで運ぶ役割があります。また、食べ過ぎたごはんや消化できなかったごはんを口から吐き出す時にも使われます。
傘の中央にある四葉のクローバーに見える部分は胃腔(いこう)です。食べたごはんがここに入ります。通常は4つですが、時には3つや5つある個体を見つけることができます。
そして傘の中央から縁に向かって細い筋が何本も通っているのが分かると思います。これは放射水管といい、血管を持たないクラゲの体で、消化したごはんの栄養分や水中から取り込んだ酸素を全身に運んでいます。時間帯によっては水管の中をプランクトンの色がついた栄養分が運ばれている神秘的な様子を観察することができるのでオススメです。
なぜか勘違いされがちなミズクラゲ
「海で見かけたらツンツンしています。」ミズクラゲに限ってよく聞くエピソードです。ミズクラゲには毒がないと思われている方がなぜか多く、つい触ってしまいがちですが正真正銘毒があります。ただ、毒針が他のクラゲよりも短く針が届いていないので痛みを感じないのだと思われます。肌の弱い方や子どもは痛みを感じることがあるので海で見かけても触らないでくださいね。