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2025.06.18
クラゲワンダー研究部員の観察日誌
/エボシクラゲ編
2020年に誕生した「クラゲワンダー」。ここでは約30種類のクラゲたちと出会うことができます。
多種多様な特徴を持つクラゲたち、それぞれのクラゲの見どころを知ることで、お気に入りのクラゲが見つかるかもしれません。
絡まりやすさナンバーワン
京都クラゲ研究部、思わず見過ごしてしまいそうなほど小さなクラゲたちが並ぶ中に一際活発に拍動する透明のクラゲがいます。エボシクラゲといいます。
傘の大きさが1㎝程度なのでよく「生まれてどのくらいですか?」と聞かれますが、大人のクラゲです。小さいながらにもぴょこぴょこと一生懸命動く姿はなんとも健気で魅力的です。
【ぴょこぴょこ動くエボシクラゲ】
傘の大きさに対して長い触手を持っているため、触手同士が絡まってしまうこともしばしばあります。触手を使ってごはんのプランクトンを捕えるので絡まったままではうまくごはんを捕まえられません。細くて繊細な触手は一度絡まってしまうとなかなかほどけませんが、そんなときは飼育スタッフの出番。スポイトを使って1匹ずつ丁寧にほどいてあげます。時には顕微鏡を使ってほどいてあげることも…。
刺されると痛いあのクラゲ…?
エボシクラゲを見つけたお客さまは口を揃えて「カツオノエボシや!」と言われます。夏になると海岸に現れ、刺されると電気が走ったような痛みが走る、あの鮮やかな青色をしたカツオノエボシ。どちらも名前に「エボシ」とつきよく似た名前の2種ですが、まったく別の種類のクラゲです。エボシクラゲには人間が恐れるような強い毒はありませんが、みなさんが怖がってくれるのであれば、エボシクラゲにとっては天敵が減ってラッキーかもしれません。
よく見て!小さな烏帽子
エボシクラゲのチャームポイントといえば、ずばりその名の由来にもなった「エボシ」の部分。
烏帽子(えぼし)とは簡単に言うと昔の人が礼装の際に被っていた縦長の帽子のことで、よく目を凝らしてみると、エボシクラゲの傘のてっぺんにも透明のとんがり帽子が見えることでしょう。体が小さいため気づかれないこともありますが、ぜひ一度立ち止まって探してみてください。
そんなエボシクラゲのおすすめの観察方法はボーっと眺めること。
【たくさんのエボシクラゲ】
小さな太鼓型の水槽に入っているエボシクラゲを眺めていると、視界全体に一斉にぴょこぴょこと拍動する姿が広がり、元気いっぱいの姿に見ているこちらまで元気をもらえるような気がします。