京都水族館 KYOTO AQUARIUM BY ORIX

コラム

ケープペンギンの故郷、ケープタウンへ行ってきました!~前編~

  • 活動報告

2026年3月、京都水族館のスタッフ4名が南アフリカ・ケープタウンで視察を行いました。

その5日間のようすを前後編に分けてご報告します。

なぜケープタウンへ?

京都水族館では、開館以来ケープペンギンを展示しており、現在51羽を飼育しています。日本国内の水族館・動物園では比較的よく見ることができるケープペンギンですが、2024年には国際自然保護連合(IUCN)のレッドリストにおいて、極めて絶滅リスクが高い種のひとつに分類されました。飼育しているケープペンギンの野生の姿をこの目で見て、多くの方にケープペンギンが直面する状況を発信したい、という思いから、今回の視察が実現しました。

ケープタウンに到着!

南半球にあるケープタウンは、日本とは季節が逆で、訪問時は夏の終わりでした。

空港に到着すると、日本ではなかなか体験できない日差しの強さに驚かされます。

ケープタウンに到着後、まずは地元の水族館Two Oceans Aquariumの見学に行きました。5日目にも訪問したので、後編で詳しく紹介します。

海鳥の保護団体SANCCOB

2日目は、ペンギンを中心とした海鳥の保護活動を行っている団体「SANCCOB(サンコブ)」の施設見学に行きました。

SANCCOBでは、ケガをした個体や放棄された卵などを保護し、年間約900羽を野生に還しています。保護の理由は、サメにかまれた、タンカーのオイル流出によって汚染された、親鳥に放棄された、などさまざまです。

保護された個体は必要な治療を受けた後、リハビリ用プールで泳ぎの練習をします。野生に戻っても自力で生きていけるよう厳しい条件があり、それをクリアした個体のみを海へ還します。

訪問した時はちょうどヒナが育つ季節。今年は例年より多い約200個の卵を保護したそうで、ヒナのお世話に大忙しでした。ヒナの給餌などのお世話を担うのはボランティアの人たちです。SANCCOBでは年間約100名のボランティアを受け入れています。

施設見学の後には、SANCCOBの職員の方と意見交換も行いました。

水族館と保護団体、環境も課題もそれぞれ異なる中での意見交換はさまざまな学びがあり、双方にとって有意義な時間となりました。

ケープペンギンの自生地① Boulders Beach

3日目は自生地に向かいました。ついに野生のケープペンギンを見ることができる!とワクワクが止まりません。Boulders Beachは国立公園の一部で、入場料を支払い入ります。

人間が歩いてよい場所には遊歩道が設置されており、ペンギンが生活する場所には立ち入らないように整備されています。

遊歩道を進むこと数分、ついに野生のペンギンの姿が見えてきました。

訪問した日は、各地で過去最高の気温を更新するような酷暑でしたが、40度近い気温の中、必死に放熱をしながら巣を守るペンギンたちの姿に野生の強さを感じました。

海で羽繕いをするペンギンたちも。海側は心地よい風が抜け、少し涼しく感じられました。

ケープペンギンの自生地② Stony Point

翌日は別の自生地を訪問しました。前日のBoulders Beachとは異なり、人間とペンギンのいる場所が仕切られておらず、すぐ近くにペンギンが歩いている、という状況に驚きながら観察しました。

Stony Pointは砂浜ではなく、岩や草むらが広がっている場所です。Boulders Beachと比べると日影が多く、風も涼しく、ペンギンたちも過ごしやすそうに見えました。

草むらには人口巣穴が多数設置されており、子育てをしているペンギンもいました。

保護ペンギンの放鳥に参加

Stony Pointでは、保護したペンギンの放鳥にも参加させていただきました。

SANCCOBは、治療やリハビリを終え野生に戻れる状態になったと判断した個体を海に還しています。

今回は7羽のペンギンが野生へと戻るため、SANCCOBから段ボールに入れて運ばれてきました。ここから飼育スタッフ2名が放鳥のお手伝いをします。

まずは、慎重に放鳥する海岸まで運びます。そして、「1、2、3」の合図で段ボールを返すと、ペンギンたちは海に向かって勢いよく駆けていきました。

段ボールの隙間から感じた視線や人間には目もくれず一目散に海に向かっていく姿に、野生の力強さを実感しました。

前編はここまでです。続きは後編で。


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