コラム
クラゲワンダー研究部員の観察日誌/アマクサクラゲ編
- いきもの紹介

2020年に誕生した「クラゲワンダー」。ここでは約30種類のクラゲたちと出会うことができます。
多種多様な特徴を持つクラゲたち。それぞれの見どころを知ることで、お気に入りのクラゲが見つかるかもしれません。
クラゲを食べるクラゲ!?
茶色や白色、薄ピンク色の傘にフリルのような長い口腕と触手を携えているのはアマクサクラゲです。傘の大きさは直径15cm~20cmくらいで、九州地方でしばしば見られ、特に熊本県の天草地方で多く見られることからこの名前がついたといわれています。過去には京都の海で採集された記録もあります。

アマクサクラゲといえばクラゲを食べることが特徴的なクラゲです。

クラゲを食べるといっても、同じアマクサクラゲを食べるのではなく、他の種類のクラゲを食べています。京都水族館では主にミズクラゲや小型のヒドロ虫綱(コブエイレネクラゲやシロクラゲなど)のクラゲを与えることが多く、水槽に入れると長い触手を使ってあっという間に捕まえます。
クラゲが大好きなアマクサクラゲですが、アマクサクラゲ同士で共食いはしないので不思議に思っています。
▶クラゲを食べるアマクサクラゲ
また、他のクラゲと比べるととても大食いのイメージがあります。自身の傘と同じくらいの直径のミズクラゲを丸飲みにすることができ、3時間ほどで消化してしまうので、ごはんをあげればあげるほど食べてしまいそうな勢いです。
発達した強い毒
他のクラゲを食べるには、相手よりも強い毒が必要になるでしょう。アマクサクラゲは強い刺胞毒を持つクラゲの一種で、太くて長い触手には触れると瞬時に強い痛みを感じるほどの毒があります。

多くのクラゲは刺胞動物(しほうどうぶつ)に属しており、刺胞という毒針のシステムを持っています。毒針の入った細胞から刺針(ししん)と呼ばれるセンサーが刺激を感知することで、中の毒針が飛び出します。クラゲに「刺される」と表現しますが、本当に毒針が刺さっているのです。
▶小さなアマクサクラゲたち
傘ツンツン厳禁!
お客さま同士の会話で、「クラゲは触手に毒があるから、傘の部分を触っても刺されないので大丈夫」と聞こえることがあります。残念、半分だけ正解です。
アマクサクラゲの傘の表面をよく見てみると、小さなつぶつぶとした突起が見えます。これは刺胞瘤(しほうりゅう)といって、刺胞の塊、つまり毒針が集まってコブ状になったものです。そんなアマクサクラゲの傘を触るとどうなるでしょうか?もちろん毒針に刺されてしまいますね。
このように傘の外側にある刺胞のことを外傘刺胞(がいさんしほう)と呼びます。大人のアマクサクラゲを近くで見てみると、この刺胞瘤を観察することができます。

少し気持ち悪いかもしれませんがぜひ近くでつぶつぶの刺胞瘤を探してみてください。
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