コラム
クラゲワンダー研究部員の観察日誌/カラージェリーフィッシュ編
- いきもの紹介
- 京都クラゲ研究部

2020年に誕生した「クラゲワンダー」。ここでは約30種類のクラゲたちと出会うことができます。
多種多様な特徴を持つクラゲたち。それぞれの見どころを知ることで、お気に入りのクラゲが見つかるかもしれません。
ぽよぽよ泳ぐ、まんまるクラゲ
青色の傘で丸い形のクラゲが水槽内を活発に動いています。このかわいらしい姿のクラゲをカラージェリーフィッシュといいます。
傘をしきりに拍動(はくどう)させながらせわしなく動き回るようすは、「ぽよぽよぽよぽよ…!」と音が聞こえてきそうです。
かつては青色の個体のみが見つかっていたため、ブルージェリーフィッシュと呼ばれていた時期もありました。のちに茶色や白色などさまざまな色の個体がいることが判明したため、今ではカラージェリーフィッシュと呼ばれています。形のかわいらしさや色の華やかさから人気のあるクラゲの一種です。
どうしてカラフル?色の秘密
さて、カラージェリーフィッシュには青色、茶色、白色などさまざまな色の個体がいることが分かりました。同じ水槽の中に色の違うクラゲがいると「違う種類のクラゲですか?」と聞かれることがあります。一般的には同じ種類のクラゲは似た色をしている場合が多いため、そう思われるのも不思議ではありません。では、カラージェリーフィッシュはどうしてさまざまな色の個体がいるのでしょうか?
その答えは…実はよく分かっていません!クラゲの生態については解明されていない部分も多く、このようなことがしばしばあります。
カラージェリーフィッシュは根口(ねくち)クラゲといいます。タコクラゲやサカサクラゲのなかまで、体内に褐虫藻(かっちゅうそう)という植物プランクトンが共生しています。この褐虫藻が色を決める要因になると考えられていますが、いつ、どのように色が決まるのか、どのように産み分けられているのか、何のために複数の色を持つのか、など謎は深まるばかりです。
“カラフルな”水槽を夢見て…
ここまでカラージェリーフィッシュの色についてお話ししましたが、京都水族館のカラージェリーフィッシュはなんと青色の個体しかおらず、実質ブルージェリーフィッシュ状態です。
京都水族館のクラゲたちはほとんどが水族館で生まれたクラゲで、ポリプ(受精卵が幼生を経て岩などに着底したイソギンチャク状の姿)を育てることで赤ちゃんクラゲを得ています。私たちが持っているポリプから生まれたカラージェリーフィッシュがすべて青色に育ちました。当時は飼育スタッフも初めて取り組んだ繁殖だったため、青色のカラージェリーフィッシュばかり生まれる状況に頭の中は「?」でいっぱいでした。
この経験からカラージェリーフィッシュの色はおそらくポリプになるよりも前に決定されるきっかけがあるものと考えられます。白色や茶色のカラージェリーフィッシュから卵を採取すれば、次の世代に生まれてくるクラゲも同じ色になるのでしょうか?オスもメスと同じ色でないと色は変わらないのでしょうか?それともまったく別の要因があるのでしょうか?飼育スタッフの挑戦はまだまだ続きます。
いつか水槽が“カラフルな”カラージェリーフィッシュで満たされることを、いっしょに見守っていてくださいね。
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